米粉のパンとお菓子

ゆるくグルテンフリー

米粉食パン一斤の4倍発酵に挑戦する



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米粉のパンを発酵させる場合、だいたい2倍発酵が普通だと思うのですが、今回は4倍発酵にチャレンジしてみました。ネットを見ると、たくさんの方が挑戦されているようで、ずっとやってみたいなと思っていました(中には5倍発酵されている方も・・・!)。

 

そもそも米粉パンをあまり発酵させない理由は、米粉にはグルテンがないからです。膨らませること自体は難しくないけれど、グルテンという骨格がないパンは、膨らませ過ぎると支えを失い、焼成中、あるいは焼成後に陥没してしまいます(私は何度も経験があります…)。では、なぜ無謀な4倍発酵をするかというと、米粉のパンは小麦粉のパンより膨らんでいない分、軽さが出にくいからです。以前2倍発酵させた一斤の米粉食パンはこちらです。

 

komekoto.hatenablog.com

 

2倍発酵させた一斤の米粉食パンは重くて、一枚でお腹いっぱいになってしまいます。重いパンではなく、軽くて、ふわふわなパンを目指したい。そんな4倍発酵を可能するのは「米粉ペースト」が一つのカギとなります。上記の記事から分かるように、米粉ペーストはグルテンの代わりとしてパンの土台となり、陥没を防ぎ、膨らみをアップさせてくれます。

 

ただ、米粉ペーストを使うだけでは不十分でして、この4倍の生地を支えるには色々な条件が揃わないといけないと思っています。ただ、その方法が不明でして・・・。成功されている方で詳しくその方法を書かれているのをまだ見たことがありません。なので、いずれはこのブログで公開できるようになれたらいいな~と思っています。とりあえず、いつもお世話になっている@aoiya_glutenfreeさんが高温で焼き固めるといいかも、とアドバイスしてくださったので、その方法でチャレンジしてみることに!

 

ちなみに、膨らませればいいってわけではなくて、美味しいのは必須条件です。なので、過発酵により、イーストのアルコール臭がしないパンであること、そのうえで、陥没していない美しいフォルムであることを目指したいです。

 

さて、とりあえず下準備無しで4倍発酵にチャレンジしてみたところ、4倍発酵させるには生地量が足りなさすぎて、高さの低いパンになってしまいました…!

 

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あまりに適当にやりすぎました。4倍発酵させるなら、事前に型比容積をもとに生地量を調べる必要がありました

 

<型比容積とは??>

手持ちの型の中にどれだけ生地を入れるかの基準となる値です。

例えば、型比容積が4の場合、型容積の4分の1、生地を入れるということになります。

つまり、型の容積÷4=生地量

小麦粉の角型パンの場合、3・8~4くらいが目安の型比容積だそうです。

数字が大きければ大きいほどふわふわの軽いパンになります。

 

型の容積のはかり方は、

①型ぎりぎりに水をいれて重さをはかる

②縦×横×高さで計算する

2パターンありますが、

③購入した型のHPを見る

が一番楽です。私は浅井商店のこちらの型を使っているのですが、HPに容積が書いてあったので助かりました。

 

※これまで間違えた商品を張り付けていました・・・。大変申し訳ありません。

上記が正しい商品です。

 

HPにある通り、こちらの型の容積は2070です。それを型比容積の4で割ると

2070÷4=517.5

となりました。

生地量517gあたりを目標にするとして、今回作ってみた材料がこちら。

※正しい容積は1728gです。

 

<材料>

熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 230g

きび砂糖 15g

ゲラントの塩 3g

サフ(赤) インスタントドライイースト 3.2g

ぬるま湯 184g

キャノーラ油 13g

米粉ペースト

熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 23g

水 50g

 

これで、521.2gの生地量、約3.9の型比容積です。

※上記にも書きましたが、型の種類を勘違いしていまして、私が使用しているのは

容積1728gでした。そのため、実際には1728÷521.2=比容積約3.3です。

 

<データ>

温度 22℃ 湿度 39%

仕込み水 184g(26℃) 

発酵前の生地温度 24.2℃

発酵 35℃ 61分

焼成 250℃に予熱後、230℃に下げて25分焼成→蓋を外したところ、上まで釜伸びしていなかったので、5分追加で焼成

 

<結果>

4倍発酵自体はスムーズにできたのですが、発酵の見極めに失敗し、若干過発酵させてしまいました。米粉ペーストを入れているので、粘度が高く、円を描くように膨むため、見極めが難しかったです。一番盛り上がっている箇所をもとに発酵を切り上げる必要がありました。あとは、250℃の予熱に時間がよりかかるので、その分も計算してもっと早めに終わらせればよかったです。

 

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焼成後は見事にトップに陥没ができました。焼成前の高さは10㎝、焼成後は8.8㎝。焼き縮みしています。一番凹んでいる部分の高さは6.2㎝。

 

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生食で食べると、やっぱり軽い。2倍発酵とは全然違います。ですが、予定の発酵ラインを越えてしまったこともあり、わずかにアルコール臭がするかな・・・と思いました。クラムはふわふわ、ねっとり感はなし。高温で焼いたせいか、クラストは乾燥気味でした。4倍に膨らませたため、気泡は大きめです。若干底が目詰まりしています。

 

まだ分からないことばかりですが、何度も作って理想のパンを目指していくしかないのかなと思っています。焼き縮みはしてしまったけれど、一つ良かったのはトップ以外はそれなりに膨らんだままをキープしてくれたこと。もっと大陥没を予想していたので・・・。高温で焼いたことが一つあるのかなと思っています。