生地の流動性は4倍発酵の1つの鍵?
一斤型で何度か陥没を経験してから、まずはミニ食パン型で陥没させることなく、4倍発酵を目指すことにしました。
一斤型で4倍発酵にチャレンジし、陥没させた米粉食パンの記事はこちらです。
先日、ミニ食パンを作っていたところ、時間がなくなってしまい、3.5倍発酵くらいで早めに切り上げたことがありました。その時、焼き縮みはしてしまうものの、陥没はしなかったんです。
3.5倍発酵にすると、ギリギリ生地が焼成に耐えてくれたのか、あるいは特別な要因があったのか、もやもやしていました。
翌日、少し配分を変えて、4倍強に発酵させてみたところ、こんな感じになりました。
焼き縮みや陥没してはいるものの、これまで作った4倍発酵よりも全然陥没していませんでした。陥没しているじゃん、と思うでしょうが、断面を比較すると全然違います…
4倍発酵で陥没した一例
今回、4倍強に発酵させたパンの断面
では、陥没を抑えたパンたちは何が違うのかというと、「生地の流動性の高さ」が違いました。グルテン=骨格を持たない米粉パンは大きく膨らませる場合、米粉ペーストを必要とすることは先日書いた通りですが、そのペーストは多いほうがきっとパンを支えてくれるだろうと思い、メインとなる米粉の約10~11%分の米粉を使ってペーストを作っていたんです。けれど、今回はそれを減らして5パーセントの粉を使ってペーストを作ってみました。それにより、生地の粘度が減り、発酵時も生地がだいぶ緩い状態になってくれました。
一斤で、メインとなる米粉の約11%分の米粉を使用したペースト入りの写真。生地の焼成前はこんな感じ。表面がでこぼこして、トップが膨れ上がっています。
一方、今回の流動性の高い、緩い生地の焼成前の写真はこちら。表面がつるっとして、比較的均一な膨らみ方をしています。
これは私の仮説なのですが、生地の粘度が高いと、焼成中に炭酸ガスが膨張する際の圧力により、膨れ上がったところから崩壊してしまう?のかもしれません。そして、粘度が高いペーストをたくさん使ったらだめってことではなくて、生地の流動性があくまで大事かなと思っています。生地の流動性は別の要因も関係してくるはずなので、流動性を高くする=米粉ペーストの量を減らすという単純な問題ではないということです。色々と研究中なので、何か分かったら記事にします。
さて、今回の材料はこちら。簡単な手順も書いておきます。
<材料>
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 70g
きび砂糖 4.2g
ゲラントの塩 1g
サフ(赤) インスタントドライイースト 1g
ぬるま湯 58g
キャノーラ油 3.5g
★米粉ペースト
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 3.5g
水 12g
<データ>
温度 23℃ 湿度はメモ忘れました・・・
仕込み水 58g(32℃)
発酵前の生地温度 24.6℃
発酵 30℃ 49分
最終発酵 35℃ 54分
焼成 230℃に予熱後、20分焼成→蓋を外したところ、上まで釜伸びしていなかったので、5分追加で焼成
<手順>
①ペースト作り。500Wで様子を見ながらペースト状にする。
②粉をよく混ぜておく。
③加水、ある程度混ざったらペーストを加えて、混ぜる。
④油を入れて4分程度混ぜる。
⑤発酵 2倍に膨らませる。
⑥3分ほど混ぜてしっかりガス抜き
⑦最終発酵 4倍強に発酵。
⑧焼成
だいぶざっとした流れですが、まだまだ不確かで手探り状態です。例えば⑤の発酵、2倍に発酵させていますが、4倍まで発酵させて、ガス抜きした方が良いのか、⑥のガス抜きはもっと長くした方が良いのかなど・・・。
さて、焼成してできた食パンは少し陥没、焼き縮み、しわのある状態ではあるものの、なかなか美味しい仕上がりになりました。何より、軽い。空気みたい。重さをはかると108gしかありませんでした。高さは4、5センチ、もともと1センチの高さしかなかったので、そりゃ軽いですよね。口にいれるとふわっふわ。過発酵のアルコール臭もなしです。
見た目はブサイクですが、ふわふわで軽い食パンに一歩近づいたような気がします!生地の流動性以外にも、怪しいなと思っている改善点があるので、うまく出来たらご報告します。