低温長時間発酵(オーバーナイト)させると米粉食パンはどうなるのか?
小麦粉のパンではメジャーな低温長時間発酵、米粉パンで行った場合どうなるのか実験してみました。
~実験その1~
<材料>
パン用米粉 ミズホチカラ 95g
大豆粉 5g
塩 1.5g
きび砂糖 6g
サフ(赤) インスタントドライイースト 0.5g ※いつもの3分の1
ぬるま湯(今回は25℃)84g
キャノーラ油 5g
発酵までの手順はいつも通りなので省略します。
型は富澤商店 スリム食パン焼型(1/3斤)を使用。
<データ>
キッチン内温度、湿度 25℃ 50%
発酵前温度 24.5℃
10/24 朝10:40 ラップをかけて冷蔵庫(野菜室)に入れる
何度か確認するもなかなか膨らまず。12時間後、焼成させるか迷いつつも1.5倍弱の膨らみだったのでそのまま続行。
約20時間経過
10/25 朝6:50
2倍のライン少し超えたくらいで、焼成。
焼成 160℃ 8分 200℃ 12分 200℃ 4分
過発酵により大きく陥没、気泡は大きく、もちもち感が強い。味も食べられなくはないですが美味しくない。全体的に焼き色がつきにくく、トップが白っぽくなってしまった。
~実験その2~
<材料>水の温度のみ変わっています。
パン用米粉 ミズホチカラ 95g
大豆粉 5g
塩 1.5g
きび砂糖 6g
サフ(赤) インスタントドライイースト 0.5g
ぬるま湯(今回は26.1℃)84g
キャノーラ油 5g
<データ>
キッチン内温度、湿度 26℃ 湿度はメモ忘れました・・・
発酵前温度 25.6℃
10/26 夜21:40 ラップをかけて冷蔵庫(野菜室)に入れる
約12時間経過
10/27 朝8:30
1.5倍ほどに膨らんだので焼成。いつもよりは発酵不足なものの、前回の失敗を恐れて早めに切り上げ。
焼成 160℃ 8分 200℃ 12分 200℃ 17分
焼成後の陥没はないが、やはり膨らみは控え目。
全体的に焼き色がつきにくく、トップは前回ほど白っぽくはないものの焼き色がつきつくい。気泡は大きめで、食感は固く、パサついている。
<長時間発酵させて分かったこと>
・生地が乾燥しやすい
湿度高めの野菜室にいれて発酵していましたが、12時間経過すると生地は乾燥し、指や爪楊枝で触っても生地がくっつきませんでした。そして、よーく生地を見ると、型の周りを囲うように水っぽい層ができていました、もしかして分離している・・・?米粉が水分を外に出してしまい、生地が乾燥しているように見えます。実際食べてみるとパサついていて、美味しくなかったです。普通の米粉食パンより劣化が早いと思います。
・焼き色がつきにくい
理由は不明ですが、焼き色がつきにくかったです。型に触れていないトップが特に色づきませんでした。でも、これは単純に生地の温度が低いまま焼成に入ってしまったことも関与しているかと思います。焼成前に生地を少し温めておくべき、あるいは一次発酵を取るべきだったかな~と反省。1次発酵をとりガス抜きして生地の分離を一旦リセットし、最終発酵。これなら変化があるのかな・・・?
現時点では、長時間発酵させると生地の質が落ちてしまううえ、発酵の見極めがかなり難しくなる、という結論に至りました。発酵時間が短くても美味しい食パンができるのが米粉のメリットなので、敢えて長時間発酵させる理由はないような気もします。
今回は米粉ミニ食パンでやってみましたが、サイリウムハスク入りのパンだとどうなるんでしょうか?おそらく皺と穴は避けられないかと思うのですが、一度はやってみようと思います。
色々と失敗することで学ぶことが多いですね。