高い生地温度で4倍発酵米粉パンの大陥没を免れる
前回の記事からだいぶ間が空いてしまいました・・・。毎日焼いているのですが、なかなか満足のいく4倍発酵の米粉パンができずにいたんです。ただ、少しづつ、「こうしたら、大きな陥没は免れる」ということが分かってきたので、経過報告します。
前回は生地の流動性の高さが4倍発酵の鍵となると書きましたが、
「生地温度」も大きな影響を及ぼすのかなと最近感じています。
前回の記事はこちら↓
4倍発酵の崩壊のプロセスは、生地を4倍に膨らませ、その後に焼成して生地が固まる間に起きることが多いと思います。グルテンのない、不安定な生地に耐えられることなく生地が崩壊してしまうのです。これまでの経験上、発酵中に崩壊したことはないので・・・。となると、「焼成中の生地が固まるまでの時間をいかに短くする、つまり、崩壊する前に生地を固められるか」が鍵になってくるのかなぁと思い始めてきました。そのためには生地の温度をじわじわ上げていては間に合わない。発酵前の生地温度、発酵温度を比較的高めに設定する必要があるのかもという考えに至ったんです。
そこで、今回は仕込み水を42℃とかなり高く設定するとともに、混ぜている間に生地が冷めてしまわないよう、時折、お湯を入れた大き目のボウルに底をあてながら混ぜてみました。
※今は冬場なので、夏場はもっと温度のコントロールがしやすいかも。
今回の材料と簡単な手順はこちら。
<材料> ミニ食パン型
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 70g
きび砂糖 6g
ゲラントの塩 1g
サフ(赤) インスタントドライイースト 1g
ぬるま湯 58g
キャノーラ油 5g
★米粉ペースト
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 3.5g
水 12g
<データ>
温度 24℃ 湿度 50%
仕込み水 58g(42℃)
発酵前の生地温度 34.1℃
発酵 40℃ 50分
焼成 230℃に予熱後、20分焼成→蓋を外したところ、上まで釜伸びしていなかったので、4分追加で焼成
<手順>
①ペースト作り。500Wで様子を見ながらペースト状にする。
②粉類をよく混ぜておく。
③加水、ある程度混ざったら、ペーストに少し生地を加え、よく混ぜる。
④ペーストを生地本体に加えて混ぜる。
⑤油を入れて4分程度混ぜる。
⑥4倍に発酵
⑦焼成
今回、4倍に発酵させた時の生地の状態はこちら。表面に気泡が点在し、少ししわもできています。これまでの経験上、このような生地状態の時は必ず大陥没していたのですが、今回はさほど大きな陥没はしませんでした。
焼き上がりの断面図はこちら。
こんなに大きな気泡が点在しているのに、大陥没を免れたのは、びっくりしました。これまでのパンは比較的気泡を小さく均一化することで生地の安定性を保っていたので・・・。底にできる目詰まりもいつもより少なくすることができました。
こちらは以前作ったミニ食パン。さほど陥没はしていなくて、気泡は小さめ。上の写真ほど大きな気泡は見られないです。発酵前温度は25.6℃と低め。1次発酵ありだったのも気泡の大きさに関係してるかも。
さて、肝心の味ですが、過発酵にありがちなアルコール臭はまったくありませんでした。また、今回は砂糖や油の量を増やしたので、いつもより甘くて、しっとり、ふわふわなクラムが出来上がりました。そして、4倍発酵させているので、とっても軽いです。
最後に、まとめると、今回大陥没を免れたのは、生地温度を高くしたことで、生地が固化するまでの時間を短縮できたからではないか、と推測しています。一晩置くとわずかに陥没してしまいましたが、これまでと比べてかなり少ない方かと思います。今回は時間がなくて1次発酵を飛ばしたので、次回は1次発酵ありで焼いてみようと思います。
生地の流動性は4倍発酵の1つの鍵?
一斤型で何度か陥没を経験してから、まずはミニ食パン型で陥没させることなく、4倍発酵を目指すことにしました。
一斤型で4倍発酵にチャレンジし、陥没させた米粉食パンの記事はこちらです。
先日、ミニ食パンを作っていたところ、時間がなくなってしまい、3.5倍発酵くらいで早めに切り上げたことがありました。その時、焼き縮みはしてしまうものの、陥没はしなかったんです。
3.5倍発酵にすると、ギリギリ生地が焼成に耐えてくれたのか、あるいは特別な要因があったのか、もやもやしていました。
翌日、少し配分を変えて、4倍強に発酵させてみたところ、こんな感じになりました。
焼き縮みや陥没してはいるものの、これまで作った4倍発酵よりも全然陥没していませんでした。陥没しているじゃん、と思うでしょうが、断面を比較すると全然違います…
4倍発酵で陥没した一例
今回、4倍強に発酵させたパンの断面
では、陥没を抑えたパンたちは何が違うのかというと、「生地の流動性の高さ」が違いました。グルテン=骨格を持たない米粉パンは大きく膨らませる場合、米粉ペーストを必要とすることは先日書いた通りですが、そのペーストは多いほうがきっとパンを支えてくれるだろうと思い、メインとなる米粉の約10~11%分の米粉を使ってペーストを作っていたんです。けれど、今回はそれを減らして5パーセントの粉を使ってペーストを作ってみました。それにより、生地の粘度が減り、発酵時も生地がだいぶ緩い状態になってくれました。
一斤で、メインとなる米粉の約11%分の米粉を使用したペースト入りの写真。生地の焼成前はこんな感じ。表面がでこぼこして、トップが膨れ上がっています。
一方、今回の流動性の高い、緩い生地の焼成前の写真はこちら。表面がつるっとして、比較的均一な膨らみ方をしています。
これは私の仮説なのですが、生地の粘度が高いと、焼成中に炭酸ガスが膨張する際の圧力により、膨れ上がったところから崩壊してしまう?のかもしれません。そして、粘度が高いペーストをたくさん使ったらだめってことではなくて、生地の流動性があくまで大事かなと思っています。生地の流動性は別の要因も関係してくるはずなので、流動性を高くする=米粉ペーストの量を減らすという単純な問題ではないということです。色々と研究中なので、何か分かったら記事にします。
さて、今回の材料はこちら。簡単な手順も書いておきます。
<材料>
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 70g
きび砂糖 4.2g
ゲラントの塩 1g
サフ(赤) インスタントドライイースト 1g
ぬるま湯 58g
キャノーラ油 3.5g
★米粉ペースト
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 3.5g
水 12g
<データ>
温度 23℃ 湿度はメモ忘れました・・・
仕込み水 58g(32℃)
発酵前の生地温度 24.6℃
発酵 30℃ 49分
最終発酵 35℃ 54分
焼成 230℃に予熱後、20分焼成→蓋を外したところ、上まで釜伸びしていなかったので、5分追加で焼成
<手順>
①ペースト作り。500Wで様子を見ながらペースト状にする。
②粉をよく混ぜておく。
③加水、ある程度混ざったらペーストを加えて、混ぜる。
④油を入れて4分程度混ぜる。
⑤発酵 2倍に膨らませる。
⑥3分ほど混ぜてしっかりガス抜き
⑦最終発酵 4倍強に発酵。
⑧焼成
だいぶざっとした流れですが、まだまだ不確かで手探り状態です。例えば⑤の発酵、2倍に発酵させていますが、4倍まで発酵させて、ガス抜きした方が良いのか、⑥のガス抜きはもっと長くした方が良いのかなど・・・。
さて、焼成してできた食パンは少し陥没、焼き縮み、しわのある状態ではあるものの、なかなか美味しい仕上がりになりました。何より、軽い。空気みたい。重さをはかると108gしかありませんでした。高さは4、5センチ、もともと1センチの高さしかなかったので、そりゃ軽いですよね。口にいれるとふわっふわ。過発酵のアルコール臭もなしです。
見た目はブサイクですが、ふわふわで軽い食パンに一歩近づいたような気がします!生地の流動性以外にも、怪しいなと思っている改善点があるので、うまく出来たらご報告します。
米粉食パン一斤の4倍発酵に挑戦する
米粉のパンを発酵させる場合、だいたい2倍発酵が普通だと思うのですが、今回は4倍発酵にチャレンジしてみました。ネットを見ると、たくさんの方が挑戦されているようで、ずっとやってみたいなと思っていました(中には5倍発酵されている方も・・・!)。
そもそも米粉パンをあまり発酵させない理由は、米粉にはグルテンがないからです。膨らませること自体は難しくないけれど、グルテンという骨格がないパンは、膨らませ過ぎると支えを失い、焼成中、あるいは焼成後に陥没してしまいます(私は何度も経験があります…)。では、なぜ無謀な4倍発酵をするかというと、米粉のパンは小麦粉のパンより膨らんでいない分、軽さが出にくいからです。以前2倍発酵させた一斤の米粉食パンはこちらです。
2倍発酵させた一斤の米粉食パンは重くて、一枚でお腹いっぱいになってしまいます。重いパンではなく、軽くて、ふわふわなパンを目指したい。そんな4倍発酵を可能するのは「米粉ペースト」が一つのカギとなります。上記の記事から分かるように、米粉ペーストはグルテンの代わりとしてパンの土台となり、陥没を防ぎ、膨らみをアップさせてくれます。
ただ、米粉ペーストを使うだけでは不十分でして、この4倍の生地を支えるには色々な条件が揃わないといけないと思っています。ただ、その方法が不明でして・・・。成功されている方で詳しくその方法を書かれているのをまだ見たことがありません。なので、いずれはこのブログで公開できるようになれたらいいな~と思っています。とりあえず、いつもお世話になっている@aoiya_glutenfreeさんが高温で焼き固めるといいかも、とアドバイスしてくださったので、その方法でチャレンジしてみることに!
ちなみに、膨らませればいいってわけではなくて、美味しいのは必須条件です。なので、過発酵により、イーストのアルコール臭がしないパンであること、そのうえで、陥没していない美しいフォルムであることを目指したいです。
さて、とりあえず下準備無しで4倍発酵にチャレンジしてみたところ、4倍発酵させるには生地量が足りなさすぎて、高さの低いパンになってしまいました…!
あまりに適当にやりすぎました。4倍発酵させるなら、事前に型比容積をもとに生地量を調べる必要がありました。
<型比容積とは??>
手持ちの型の中にどれだけ生地を入れるかの基準となる値です。
例えば、型比容積が4の場合、型容積の4分の1、生地を入れるということになります。
つまり、型の容積÷4=生地量
小麦粉の角型パンの場合、3・8~4くらいが目安の型比容積だそうです。
数字が大きければ大きいほどふわふわの軽いパンになります。
型の容積のはかり方は、
①型ぎりぎりに水をいれて重さをはかる
②縦×横×高さで計算する
2パターンありますが、
③購入した型のHPを見る
が一番楽です。私は浅井商店のこちらの型を使っているのですが、HPに容積が書いてあったので助かりました。
- 価格: 847 円
- 楽天で詳細を見る
※これまで間違えた商品を張り付けていました・・・。大変申し訳ありません。
上記が正しい商品です。
HPにある通り、こちらの型の容積は2070です。それを型比容積の4で割ると
2070÷4=517.5
となりました。
生地量517gあたりを目標にするとして、今回作ってみた材料がこちら。
※正しい容積は1728gです。
<材料>
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 230g
きび砂糖 15g
ゲラントの塩 3g
サフ(赤) インスタントドライイースト 3.2g
ぬるま湯 184g
キャノーラ油 13g
★米粉ペースト
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 23g
水 50g
これで、521.2gの生地量、約3.9の型比容積です。
※上記にも書きましたが、型の種類を勘違いしていまして、私が使用しているのは
容積1728gでした。そのため、実際には1728÷521.2=比容積約3.3です。
<データ>
温度 22℃ 湿度 39%
仕込み水 184g(26℃)
発酵前の生地温度 24.2℃
発酵 35℃ 61分
焼成 250℃に予熱後、230℃に下げて25分焼成→蓋を外したところ、上まで釜伸びしていなかったので、5分追加で焼成
<結果>
4倍発酵自体はスムーズにできたのですが、発酵の見極めに失敗し、若干過発酵させてしまいました。米粉ペーストを入れているので、粘度が高く、円を描くように膨むため、見極めが難しかったです。一番盛り上がっている箇所をもとに発酵を切り上げる必要がありました。あとは、250℃の予熱に時間がよりかかるので、その分も計算してもっと早めに終わらせればよかったです。
焼成後は見事にトップに陥没ができました。焼成前の高さは10㎝、焼成後は8.8㎝。焼き縮みしています。一番凹んでいる部分の高さは6.2㎝。
生食で食べると、やっぱり軽い。2倍発酵とは全然違います。ですが、予定の発酵ラインを越えてしまったこともあり、わずかにアルコール臭がするかな・・・と思いました。クラムはふわふわ、ねっとり感はなし。高温で焼いたせいか、クラストは乾燥気味でした。4倍に膨らませたため、気泡は大きめです。若干底が目詰まりしています。
まだ分からないことばかりですが、何度も作って理想のパンを目指していくしかないのかなと思っています。焼き縮みはしてしまったけれど、一つ良かったのはトップ以外はそれなりに膨らんだままをキープしてくれたこと。もっと大陥没を予想していたので・・・。高温で焼いたことが一つあるのかなと思っています。
米粉のカンパーニュ作りで分かったこと
連日作ってきたサイリウムハスク入りカンパーニュのことで分かってきたことが2点あります。
①油を使用する
小麦粉のリーンなパンの場合、油脂は入れない場合が多いと思うのですが、米粉の場合は入れた方が扱いやすくなります。これまで、生地に油を入れたり入れなかったりしてみたのですが、米粉はグルテンがないため、油を使用しないと膨らみが悪く、しなやかさに欠けるので成形が難しくなることが分かりました。私は膨らみやすいキャノーラ油を2%使用していています。なお、生地の乾燥防止と焼き色のため、表面には分量外の油を塗っています。
油を使用しなかったカンパーニュ
油を使用したカンパーニュ
②生地はある程度しっかり混ぜること
一度、試しによく混ぜないで作ってみたことがあるのですが、水分がきちんといきわたらず、下の方に目の詰まった層が出来たり、バランスの悪い仕上がりになりました。こちらがその写真です。気泡のバランスが悪いですよね。
ゴムベラで3分ほど混ぜるとちょうどいいのかなと思っています。ただ、長すぎるとそれはそれで生地に負担がかかりすぎて膨らみにくくなるかもしれません。また分かり次第更新します。
以上の2点を踏まえながら、これまでで一番美味しいかなぁと思うカンパーニュができました。材料とデータはこちら。
<材料>
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 80g
そば粉 20g
サイリウムハスク(森のこかげ) 3g
きび砂糖 3g
ゲラントの塩 1. 5g
赤サフ インスタントドライイースト 1.2g
キャノーラ油 2g
ぬるま湯 90g
<データ>
キッチン温度 25℃ 湿度48%
水 27℃ 90g
発酵前温度 27℃
発酵 30℃ 37分
最終発酵 35℃ 10分
焼成 250℃予熱 250℃ 25分
これまで熊本製粉のミズホチカラの適切な水分量の見極めが難しく、ねっとり感が出てしまいがちだったのですが、今回はちょうどいい水分量で、クラストはパリパリ、クラムはふわふわのカンパーニュが出来ました。
また、焼き色がつきやすいそば粉の量を増やしたので、今回は焼成時間が短かったです。スキレットに乗せて焼成したことも関係あるかも?
それにしても、うちのオーブン(ヘルシオ)は本当に焼き色がつきにくいです涙。今メーカーに問い合わせ中ですが、場合によっては銅板を購入するかもしれません。
これまでで一番釜伸びした米粉のカンパーニュ
前回、米粉の成形パンは生地を触りすぎないことがコツと書きましたが、そこに気をつけてから、生地が膨らみにくくなるという問題点は解消されたように感じます。ただ、1次発酵をさせるか否かという問題に関しては、まだ結論は出ていません。軽く折りたたむことで、イーストが活性化され、膨らみやすくなる気がするので、やっぱり1次発酵は必要かなと思っています。ただ、きちんと成形が必要なパンに関しては、発酵をとってからしっかり成形してしまうと膨らみにくくなるかもしれません。パンの種類によって臨機応変に変えていく必要があるのかな・・・。
写真は今回これまでで一番釜伸びしたカンパーニュです。釜伸びしてくれると、クープが開くので、見栄えが少しマシになってきたように思います。
<材料>
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 90g
そば粉 10g
サイリウムハスク(森のこかげ) 3g
きび砂糖 3g
ゲラントの塩 1. 5g
赤サフ インスタントドライイースト 1.2g
キャノーラ油 2g
ぬるま湯 91g
<データ>
水 30℃ 91g
発酵前温度 27.6℃
発酵 30℃ 35分
最終発酵 35℃ 10分
焼成 250℃予熱 250℃ 30分
<考察>
☆材料について
熊本製粉のミズホチカラはこばたけファームに比べて、香りや味が弱くなってしまうので、塩をわずかに増やしました。また、水分をこばたけの時より少な目にしたのですが、それでも少し多かったかもしれません。もう少し水分量は調節する必要がありそうです。
☆発酵について
丸い形の発酵かごがなかったので、お椀に入れて最終発酵させてみました。薄手のキッチンタオルをお椀に入れ、その上に生地を入れると、簡単に取り出すことができました。タオルが適度に生地の水分を吸収してくれるからだと思います。粉を振った発酵かごより扱いやすかったです。
☆クープの入れ方について
表面に粉を付けてから、勢いよくすっと入れるとやりやすかったです。その後で表面に軽く霧吹きをしています。
☆焼成について
焼き色がつきにくいため、300℃に予熱してから温度を250℃に下げる方法を何度か取っていました。ですが、下段に入れているお湯があっという間に蒸発してしまううえ、生地がすぐに固まってしまうので、250℃に予熱して、そのままの温度で焼くようにしました。相変わらず、焼き色がつきにくい(特に底)という問題があるんですけど・・・。
☆気泡について
現在、気泡を大きくする方法を現在考えています。冒頭にも書きましたが、2次発酵すると、イーストが活性化され、膨らみやすくなり、結果的に気泡も大きくなるように感じています。
一般的に小麦粉のパンの場合、加水量を増やすと気泡が大きくなるそうですが、それは米粉の成形パンでも同様だと思います。実際、これまで100%前後で加水してきた時の写真を見返すと気泡が大きいです。
左は加水量100g、右は加水量91g(いずれも熊本製粉のミズホチカラ)
ただし、水の量が多い場合、ねっとり感がでてしまうので、いかに食感の良さを保ちつつ、気泡を大きくするかが問題だと思っています。
可愛いクッキー缶と米粉の成形パンについて
今日は可愛い米粉のクッキー缶が家に届きました♪
インスタでお知り合いになった@aoiya_glutenfreeさんのクッキー缶です。米粉とは思えない、サクサクホロホロした美味しい食感。こんなに繊細な作業ができるなんて驚きです。どれも本当に美味しくて感動しました・・・!私は風味豊かな抹茶ディアマンが特にお気に入りです!いずれ、ネット販売されるそうで、とっても楽しみにしています。インスタで他にも美味しそうなお菓子やパンが見られますよ~!
さてさて、今日も引き続き、ハード系の成形パンのお話です。
サイリウムハスク入りの米粉の成形パンはより情報が少ないため、相変わらず手探り状態なのですが、最近、わかってきたことが一つあります。
それは、「触りすぎると成形パンは膨らみにくくなるかも」ということ。以前、@aoiya_glutenfreeさんに気泡を出すにはあまりガス抜きしない方がいいですよ、と教えてもらったこともあり、その通りにしていたのですが、やっぱりそれは正しいなと。
それを裏付ける証拠として、実はカンパーニュ作りで、発酵かごに入れる際に、形を整えようと、力強く型に押し込めて入れたことがあったんです。すると、最終発酵で全く膨らまず、釜伸びも一切しないということが起きました。
こちらがその写真↓↓
小麦のパンのように「グルテン=骨格」のないサイリウムハスク入りのパンは、乱暴に扱うと、気泡がつぶれ、元に戻ることができないのかもしれません。思い返せば、成形の際にしっかりガス抜きしたり、力強く成形するなど、下手に触りすぎたときは、なかなかふっくらしたパンができにくかったような気がします。
もし、それが正しいのであれば、米粉の成形パンの2次発酵はするべきなのか否か悩み始めてきました。せっかく膨らんだパンに力を加えてしまうことになるからです。とにかく生地に負荷をかけないようにするには、すぐに成形にうつったほうが、ふっくら膨らむのかも?もちろん、適度な加水量等条件が揃った状態が必要かと思いますが。
(まだまだ分からないことだらけなので、間違えてたらすみません!)
そんな中で、この配合はなかなか美味しいかもというものができましたので、材料を公開します。いずれはレシピにしたいなぁと思っています。
<材料>
こばたけファーム ミズホチカラ 90g
そば粉 10g
サイリウムハスク(森のこかげ) 3g
きび砂糖 3g
ゲラントの塩 1.4g
赤サフ インスタントドライイースト 1.5g
ぬるま湯 93g
キャノーラ油 2g
使用した米粉はこばたけファームのミズホチカラです。何度かこばたけファームのパンを作ってきましたが、使えば使うほど、この米粉、本当に美味しい!と感じます。ぜひ、副材料の少ないシンプルなパンに使うことをオススメします。
写真は「触りすぎないで」上記の材料で作った発酵1回のみのパン。ふっくら膨らんでいて、上の写真と全然違いますよね。ただし、気になるのは、気泡が小さすぎること。これはこれで美味しいけれど、もっとふわふわ感を出せたらいいなぁと思っています。次回はもう少し発酵時間をのばしてみます。
米粉カンパーニュの問題点と塩のこと
ここ数日、ハード系のパンに連日チャレンジしています。
どうしてもクラムにねっとり感が出てしまうので、水分量が多すぎ、あるいは混ぜ不足かなと思っています。クラムがねっとりしていることと関係しているであろう、釜伸び不足という問題点もあります。
そして、オーブンの癖なのか、底の焼き色があまり綺麗につかないです。
パンを焼くのがお上手な読者さんに頂いたアドバイスで、焼成前に油を塗ることで、底以外の焼き色はだいぶつきやすくなったのですが・・・。ちなみに成型時にも少し油を使ってみたので、底にも油はついています。温度は240℃、上段にオーブンシートにのせたパン生地を入れて、下段にはお湯を注いでいます。
もう少し油を使うことと、オーブンの扉を開ける時に熱が逃げてしまうので、予熱を300℃まであげて、焼成時に温度を下げてみようかなぁと考えています。
さて、最近作ったカンパーニュの材料と簡単な手順です。
カンパーニュ①
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 90g
そば粉 10g
サイリウムハスク(森のこかげ) 3g
きび砂糖 3g
塩 2g
赤サフ インスタントドライイースト 1.5g
ぬるま湯(39.3℃) 100g
粉類にぬるま湯を入れて5分間ヘラで混ぜる。
発酵前の生地温度 28℃
発酵 30℃ 25分
弱いガス抜き、軽く折りたたんで打ち粉をした発酵かごへ。
最終発酵 35℃ 10分
表面に油を塗ってクープを入れる。
焼成 240℃に予熱したオーブンで29分
カンパーニュ②
熊本製粉 パン用米粉 ミズホチカラ 90g
そば粉 10g
サイリウムハスク(森のこかげ) 3g
きび砂糖 3g
塩 1.2g
赤サフ インスタントドライイースト 1.5g
ぬるま湯(39.2℃) 98g
キャノーラ油 2g
粉類にぬるま湯を入れて5分間ヘラで混ぜる。
発酵前の生地温度 28.5℃
発酵 30℃ 25分
油を手につけて、弱いガス抜き、軽く折りたたんで打ち粉をした発酵かごへ。
最終発酵 35℃ 13分
(この後、実験で型から出して少し発酵させてみたところ、形がごつごつしてしまった・・・)
表面に油を塗ってクープを入れる。
焼成 240℃に予熱したオーブンで30分
写真では分かりづらいのですが、②の方が加水量が少ないので、ねっとり感は減りました。
①と②で大きな違いは塩の量です。実はこれまで塩の量や味についてさほど気を配ってなくて、ハード系のパンの時はいつもより少し塩の量を増やして2%で作っていたんです。でも味がどうも塩辛いので、敢えて①と②で塩の量を変えてみました。
すると、①の2%だとかなり塩辛く、②の1.2%だと相当マイルドな味になりました。人によっては1.2%だとぼやけた味に感じるかもしれません。けど、米粉やそば粉の味がダイレクトに伝わってくるので私的には悪くなかったです。一般受けを狙うなら1.5%前後がちょうどいいのかなと思っています。
シンプルなパンにおける塩の影響力はすごいですね。最近ゲラントの塩を使い始めたのですが、よりマイルドな味に仕上がるような気がします。
色々書きたいことがあるのですが、今日はこの辺で。
最近、育児と米粉パンを両立させることが難しくて、悩み中です・・・。